●「常時SSL」への兆候

 
車の世界には、「常時4WD」という言葉があります。
「4WD」とは、四輪駆動のこと。
四輪の全てに、エンジンの駆動力を伝え、4つのタイヤを回します。
(ちなみに、今の車のほとんどはFFで、前輪2つだけが駆動するタイプ)
 
ジープ等が有名ですが、常に四輪駆動で走ると
雨の日とか路面の悪い道路でも、車は安定します。
 
これと同じような事が、インターネットで常識になる兆しがあります。
 
インターネットでサイトを見る時には、「常時SSL」にする。
という新しい「動き」です。

 
例えば、IE(Internet Explorer)や、Google Chromeでアクセスする、
グーグルTOPの検索画面。
 
グーグルのアカウントを取得して、ログイン状態のままで、
 
URL(http://www.google.co.jp/)をたたくと、強制的に
SSLが効いた、「https://www.google.co.jp/」のURLに変わります。
 
「http」ではなくて、「https」なんです。(「s」が付いている)
 
また、7月18日に公開された「Firefox14」からは、(今はもう既に15.0に)
右上のグーグル検索窓を使うと、必ず、グーグルのURLはSSL対応になります。
 
これは一体、どういう意味を持つのか。
 
ちなみに、SSLとは、「Secure Socket Layer」の略。
 
普段、何気にネットサーフィン(死語?)をしているユーザーにとっては、
接続がSSLだろうが、なんだろうが、あまり関係ないかもしれません。
自分の見たいウェブサイトが見れれば、それでいい話しなので。
 
ただ、SSLという技術が介入すると、
SSLが有効なサイトと、そのサイトを観覧している人のパソコンの間は、
秘密の暗号で結ばれて、アクセス者の入力情報等の
セキュリティを、水面下で確保してくれます。
 
販売サイトでのクレジットカード情報入力などが、よくある例ですね。
 
「このページは、SSLで保護されていますので、安全です。」
みたいなコメントが書かれているページをよく見ると思います。
 
この「常時SSL」という動きですが、
ウェブサイトへのアクセス者にとっては、とても有益なことです。
常に、自分の個人情報を保護する対策として機能するからです。
 
ただし、ウェブサイトを運営したり、サイトを構築する制作業者、
または、商品や情報を提供する側のマーケッターにとっては、
かなり深刻な問題が発生すると予想しています。
 
例えば、どこから、どういう人が、どんな状況で
自分のサイトにアクセスをして、どのページを閲覧したか?
 
といった情報は、TCP/IPアクセスのデジタル信号の先頭に付いている
「リファラ情報」というセクションから入手しています。
プログラマーが「環境変数」と呼ぶ部分です。
 
今までも、「ノートン」等のセキュリティソフトをインストールしている
パソコンからのアクセスの「リファラ情報」は
セキュリティという名の元に、一部消されてきました。
 
「常時SSL」も、「リファラ情報」を隠す方向です。
 
今後、「常時SSL」がインターネットのアクセスに浸透すれば、
ますます、オンラインのマーケティング活動が困難な時代になってしまいます。
 
商品を販売しているサイトの管理者達は、常に、
自分達の商品を購入してくれるお客様の属性や環境を知りたがっています。
 
どんなキーワードで飛んできたのか、どのページから来たのか・・・・
 
アクセス解析をして、より良い販売成績に結びつけようと
常にマーケティングを気にしています。
 
そんなマーケッターに有効な情報が、「常時SSL」化による
「リファラ情報」の取得不足で、失われていく可能性があります。

 
しかし、今現在事実上、日本で唯一の検索エンジンである
グーグルにとっては、「常時SSL」化は、優位に働くかもしれません。
 
グーグルにとってみれば、SSLで検索された情報は、
第三者によって検知されなくなり、グーグルだけの資産になるからです。
 
マーケッターは、自分達独自で、アクセス者の情報を把握しずらくなり、
ますます、グーグルのアナリティクスや、ウェブマスターツールへの
依存度が高くなっていくからです。
 
また、「常時SSL」は、ベリサインや、グローバルサインといった
SSL認証局の利益にも、当初は直結するでしょう。
 
インターネットの接続にSSLが必須となれば、
あらゆるウェブサイトでのSSLの需要が飛躍的に伸びるでしょう。
 
ただ、今現在(2012年)のSSL認証の費用は、安くはありません。
ベリサインで年間85050円、
グローバルサインのクイック認証(※下参照)で年間36540円がかかります。
 
中小のウェブサイトまで、常時SSL化を広めようとすると、
SSL認証の価格破壊が前提になると予想します。
(マルチドメイン対応のSSL認証も最近出てきました)
 
ある意味、野放し状態だったネット創生期が懐かしく思えますが。
 
 
※クイック認証とは
 
SSLの役目は、2つあります。
 
1つは、サイトとパソコン間の通信に暗号をかけて、安全性を保つ。
 
もう1つは、あまり知られてないのですが、謄本のような意味で、
サイトを持つ企業または個人の実存を証明する役割です。
 
SSL認証局は、SSLの申請が来ると、サイトを所有する企業ないしは個人の
素性を調べます。帝国データバンク等に登録されていない場合は、
謄本等の書類の提出を求められます。
 
クイック認証とは、前者の通信の安全性のみを提供する認証で
サイトを管理する企業または個人の実存の証明は含みません。
 
 
▼▼▼
この本、オススメです。
Facebook、LinkedIn の次に飛来するモノは何か?
デジタル革命が破壊する世界の未来は?
神田昌典さんが絶賛する、これからの新規事業のタネ本です。
★ボブ・ガーフィールド著「カオス・シナリオ」
 
 
 
(2012/09/02記)
 
 
 
 
 
 

facebookへ twitterへ

 
 
FX比較ランキング  

動画パソコン教室
SEOマニュアル

 
TOPに戻る
オススメの教材

▼最近の記事です。

TOPに戻る

▼このHPに連動した、メルマガも発行させてもらっています。もし気分が乗ったら、登録してもらえれば嬉しいです。

メルマガ購読・解除
【超初心者】からのインターネット講座
   
バックナンバー
powered by まぐまぐトップページへ

田中の初心者向けアフィリエイト講座へ

レスポンシブ・デザインに対応したHTMLデザインテンプレート

リンク集